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果物
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■一般無料/健康基礎講座「牛乳の弊害 ~Part3~」

・牛乳離れが進むアメリカ

・発展途上国で犠牲になった人々

日本人は牛乳は健康的な飲み物という意識が根強い一方で、 海外ではその刷り込みがだんだんと崩れてきています。 ●牛乳離れが進むアメリカ アメリカでは70年ほど前から牛乳離れが進んでいます。 アメリカ人の飲用牛乳の1人当たり年間消費量は、1945年は45ガロン、2001年は23ガロン、 2021年は16ガロンと減少し続けています。(1ガロン=3.7リットル) 米国農務省が2021年に発表された調査結果によると、 牛乳消費量のの減少率は2000年代は年平均1%、2010年代は年平均2.6%と加速的に減少しています。 その背景に、オバマ政権の時に成立した新学校給食法が影響していると言われています。 2010年に成立した 「CHILD NUTRITION REAUTHORIZATION HEALTHY,HUNGER-FREE,KIDS ACT OF 2010」は 子ども達の飢えと肥満をなくすという主旨のもと、新しいガイドラインが敷かれました。 その一環として、脂肪分の高い牛乳は学校給食での提供が禁止となりました。 低脂肪の牛乳は味が薄いため好んで飲みたがらず、牛乳を飲まない子どもが増えたと言われています。 さらに、近年では健康問題や環境問題を理由とした牛乳を控える人が増えています。 アメリカでは、SNSに慣れているZ世代に環境問題への関心が高い人が多く、 そうした層の人が酪農産業に疑問を持っているため、牛乳への抵抗感が強い傾向にあります。 アメリカの消費者市場調査によると、2022年において Z世代は全体平均よりも20%も牛乳の購入が少ないと発表されています。 また、植物性のミルクが注目されている事も大きな要因です。 昔からある豆乳に加え、アーモンドミルク、オーツミルク、ライスミルクなど バリエーションが豊富になり、牛乳を飲まない人達の代替えとしても注目を集めています。 最近では日本のスーパーでも見かけるようになりました。 日本でも牛乳の消費量は減っていますが、アメリカとは事情が異なります。 日本の酪農家の戸数の推移を見ると、 1963年は41万8000戸だったのが、2022年は1万3300戸まで激減しています。 主な理由は人口減少、少子高齢化、飲料市場の多様化と言われています。 また、近年では餌代の高騰やコロナ等の影響による休校で 酪農家が厳しい状況に追い込まれたこともあります。 全体の消費量は減っていますが、日本では牛乳に問題があるという認識は薄いままです。 ●母乳にしかない役目 哺乳動物の乳には、同じ種族の乳児を感染から守る重要な役目があります。 そのため人間が牛乳を飲んでも、それは上手く働きません。 生乳の加熱・殺菌・成分調整は、感染防御機能を壊してしまいます。 お母さんから直接飲ませてもらうのが、最も合理的で無駄が無い最良の方法です。 お金がかからない、人の手が入らない。など良いことばかりです。 ●発展途上国で犠牲になった人々 発展途上国にも人工ミルクは広まっていて、健康上の被害が出ています。 病院や産院では、乳業企業から派遣されたミルクナースが母親に粉ミルクを勧めます。 例えば、ジャマイカの首都では母親の9割が生後6ヶ月前に粉ミルクを与え始めています。 そのうち14%はミルクナースに勧められていました。 ミルクナースは企業に雇われて給料をもらい、販促活動をしています。 彼女達は医療従事者と同じような服装をしています。 例えば、ナイジェリアでは95%の母親が看護師や助産師に粉ミルクを勧められたと信じていました。 白衣を着た企業の女性に粉ミルクを勧められたら、どう思うか。 企業はその辺りもしっかり計算に入れて、粉ミルクを飲ませようとしています。 赤ちゃんの健康な発育よりも、企業の利益を優先しているのです。 こうして発展途上国でも母乳離れが進んでいます。 チリでは母乳育児をする割合が20年も経たないうちに95%から6%にまで激減してしまいました。 母乳育児をする期間も、平均約1年から平均約2ヶ月まで短くなりました。 このように発展途上国で急速に人工ミルクが増えた理由は主に以下の点です。 ・発展途上国の人達は先進国の真似をしたがる ・働く女性が増えた。 ・乳業企業が病院や産院で販促活動をしたため ・国際的な保健機関を通じて、粉ミルクが簡単に手に入るようになったため。 発展途上国は先進国の近代的な文化を真似したがる傾向がありますので、 残念なことに多くの母親が母乳育児を放棄しています。 また、医療機関では哺乳瓶でミルクを飲ませているポスターが掲示されたり、 看板や広告などを利用して、母親になる女性が粉ミルクで育児することを 選択するよう誘導しています。 しかし、発展途上国で急速に粉ミルクが広まった裏では悲劇が起きていました。 生後3ヶ月になる前から粉ミルクで育てられた赤ちゃんは、 母乳のみで育てられた赤ちゃんよりも死亡率が3倍も高くなっていたのです。 チリの研究では、母乳と粉ミルクを両方与えられている赤ちゃんは 粉ミルクのみ与えられている赤ちゃんと比べても、死亡率が低くはない事が分かっています。 つまり、赤ちゃんがしっかり営養をもらって丈夫に育つためには 母乳だけで育てなければならないということです。 牛乳が世界に広まった結果、企業の利益のために多くの人が被害を受けました。 特に母乳のみから営養を受け取る赤ちゃんに、粉ミルクを与えるリスクは非常に高いです。 無駄なものが増え、お金もかかりますが、営養面では著しく劣る。 そして、何より感染を防ぐ効果は粉ミルクには全く無いということ。 母乳はあらゆる環境において、赤ちゃんが元氣に育つよう出来ています。 その効果は乳児期間だけにとどまらず、離乳した後の健康状態にも影響しています。 乳児期間中に母乳をしっかり与えて、離乳した後は乳を飲まないのが哺乳類としての本来の姿です。 山本和佳


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