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果物
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一般無料「食事も土台作りが大切」健康基礎講座

・脳の衰えと油の関係


・産地と家庭をつなぐ食事を



日本は四季があり、季節ごとに野菜や果物が採れる氣候である一方、輸入に頼っている国でもあります。


食糧の輸送量と輸送距離を掛け合わせた指標をフードマイレージと言います。日本は世界一フードマイレージが高い国です。


つまり食料を輸入に頼っていることを意味しています。その分、地球環境への負荷も大きくなっているのです。


お金を払えば何でも食べられるという幻想を、国民に抱かせているのではないかと懸念します。

 


●記憶のしくみ


年齢と共に記憶力の衰えが氣になる人もいらっしゃるかと思います。


脳の中の海馬が記憶に関係しています。


五感を通して入ってきた情報が海馬に届きます。重要な情報は大脳皮質へ長期記憶として移されます。


実際にどの情報が重要で、どの情報が不要かを判断しているのは脳内の前頭葉で、海馬はその支持を受けて情報を振り分けていると言われています。


頭を使うほど記憶力はアップし、年齢を重ねても海馬の神経細胞は増え続けます。


記憶の指令センターと言われる海馬は、脳の中で最も酸化に弱い部位です。


酸化とはサビ、老化。他の場所よりも老化が早く、多くの人は60歳頃になると新しく生まれる神経細胞の数が激減し、海馬の働きが衰えます。


昔に記憶したことは覚えているが、昨日食べたものが思い出せないというように短期記憶が衰えていきます。初期の認知症でもこのような症状が表れます。


しかし、加齢以外の理由でも脳は衰えてしまいます。

 


●トランス脂肪酸


トランス脂肪酸はサラダ油に水素を添加して、人工的に固形状に加工した油です。


日本ではトランス脂肪酸と聞いて「何だろう?」と思われる人もいると思います。また、個人の健康意識によって認識度にかなりの格差があります。


しかし、海外ではトランス脂肪酸が危険として多くの国で規制されています。


トランス脂肪酸は人間の体内にはもともと無く、人工的に作られた油です。食品から摂取することで、健康上の問題が出てきます。


善玉コレステロールを減らし、悪玉コレステロールを増やす。→ 心臓病、脳卒中、2型糖尿病、メタボリックシンドローム、動脈硬化、細胞膜にダメージを与える。→ 細胞膜が硬くなり、細胞の生まれ変わりが出来なくなる、代謝異常

活性酸素を大量発生→ 日常的にトランス脂肪酸を摂っていると、抗酸化作用が追いつかなくなります。


体の中で酸化(老化)が加速して進みます。

肌の老化に始まり、食習慣を改善しないと生活習慣病を引き起こします。

 

マーガリンは植物性油だから安心と思っている人もいますが、それは大変な誤解です。


加工された油で、人間の体はスムーズに消化吸収することができません。


同じくショートニングやマヨネーズも植物油を原料としていますが、トランス脂肪酸が多いので要注意です。


植物油に水素を添加して、バターのようなものを作っているに過ぎません。


また、市販のクッキー、ビスケット、ケーキ、菓子類、アイスクリーム、ピザ、ハンバーガー、にもマーガリンやショートニングはたくさん使われています。


「バターは高価だからマーガリンを使用している」という家庭は多いと思いますが、それはメーカーも同じです。


安価な原料を使っているから、低価格で販売されているのです。


SHORTENという言葉には「短くする」「削る」「脆くする」「舌触りを良くする」などの意味があります。


安価な上にサクサク、ふわふわとした食感を出すので、メーカーにとって使い勝手の良い油なのです。

ただ、消費者の健康は度外視されています。


細胞膜は脂質でできています。


トランス脂肪酸が細胞膜に入ると、細胞の正常な働きが出来なくなってしまいます。


脳に障害が出たり、心臓病や糖尿病のリスクも高くなります。


脳は脂が多い部位ですので、トランス脂肪酸のダメージを受けやすく、認知症、うつ病、記憶障害のリスクが高くなります。

 

世界中で年間50万人もの人がトランス脂肪酸が原因で死亡していると言われています。


WHOの発表を受けて、世界各国で規制が進んています。


アメリカでは2018年に国内で販売する食品のトランス脂肪酸を50g未満に規制し、それよりもトランス脂肪酸が多い食品の販売を禁止しました。


カナダ、台湾でも使用禁止となっています。


タイ政府は2019年にマーガリン、ショートニング、それらを使用した食品の製造、販売、輸入を禁止しました。


EU加盟諸国、シンガポールは食品中のトランス脂肪酸の上限値を設定し、表示を義務づけています。


韓国、中国、香港でも食品中のトランス脂肪酸濃度の表示が義務づけられています。


世界各国で規制が進む中、日本ではランス脂肪酸の表示義務も無く、認知度も非常に低く、口に入るトランス脂肪酸の量は世界トップです。


質の悪い油がたくさん流通しているので、油は種類に氣をつけて摂取しましょう。


 

●脳の働きを助ける油


油を摂取することについての注意点。砂糖と一緒に摂らないこと。


お菓子類は油と砂糖の組み合わせです。


油には食欲増進効果もあるので、それを利用しているのです。


良い利用例が土用の丑の日。

うなぎの脂でごはんが進みます。

魚の油は胃もたれしにくい。

お米をたくさん食べて、夏の暑さを乗り切ろうという昔から伝わる知恵です。


昔の人は肉体労働をしていましたので、エネルギー源となるお米をしっかり食べる。


しかし、油の摂り方を間違えると大変です。

現代はそんなものばかりが溢れています。


子どもにソース、ケチャップ、マヨネーズで味付けした料理を食べさせていると、素材の味が分からない味覚になってしまいます。


家庭ではオメガ3を意識して摂りましょう。


亜麻仁油、インカインチ油、シソ油、魚の油など、加工品や外食ではなかなか摂ることが出来ない油です。


脳を活性し、血管の弾力性を高め、細胞を元氣にしてくれます。


食後感がすっきりして、胃もたれしにくいのでお勧めです。

 

お金を払えば食糧を購入できるというのは大きな間違いです。


氣象条件や政治情勢によっては、欲しくても手に入らない事態になることを忘れてはなりません。


今や国産食材を探すのが難しいほど、輸入食材が流通していて、加工食品や外食にも多く使われています。


距離が遠くなるほど生産者が分からなくなり、加工するほど原材料の形や味、産地も分からなくなります。


ファストフードや加工食品を食べていると、味覚が狂い、食材の価値を見過ごしてしまうような危ない価値観が宿ります。


こうした人が増えると食糧自給率が下がり、病氣が増え続けます。


反面、食品メーカーや医療業界の利益は上がるという皮肉な結果に・・・


シンプルなことですが、トランス脂肪酸の摂取量を減らす。


加工食品を極力控える食習慣が大切になってきます。


小麦製品を食べると、どうしても質の悪い油の摂取量が増えてしまいます。

これは小麦そのものに営養価が低いことも要因です。


ビタミン・ミネラル、食物繊維など営養バランスに優れた玄米を主食とし、素材の美味しさを味わう食事を日常にしましょう。



 

山本和佳

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